『イニシエーション・ラブ』乾くるみ(著) 文春文庫
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
出版社より
「最後の二行目で全く違った物語になる」
イニシエーションとは、宗教上の言葉で、信徒になる際の「通過儀礼」を意味します。
イニシエーション・ラブ→通過儀礼の恋愛
交際経験がない大学生の主人公が「マユ」と出会い、恋に落ちていく。
初めての恋愛、戸惑いながらも愛を紡いでいく、甘酸っぱいラブストーリー、、
ストーリーは
・side:A
・side:B
の2部構成
ミステリー作品と謳ってるがミステリー要素がどこにあるのだろうと思いながら読み進めてくと
最後の2行でミステリー作品へと変貌。
こんな小説の楽しみ方もあるのか!と思い知らされる作品です。
感想(ネタバレ注意)
side:A
大学生の主人公が、メンバーが足りなくなったからと頼まれ参加した合コンで、歯科衛生士の繭子と出逢う。毎週デートを重ね愛を深め合う。
side:B
社会人となった主人公が、静岡から上京。
繭子とは遠距離恋愛となり、東京の職場の同僚である石丸美弥子と浮気をしてしまう。
主人公と繭子の関係は「通過儀礼」の恋だったのだ
と、そんな感じのお話で終わるのかなと読み終えるラスト2行。
side:A,side:Bの人間関係にまんまと騙されました。
主人公の性格がside:Aとside:Bでだいぶ変わったなぁと違和感あったのでラストでそういうことか!と納得。繭子怖い、、、

映像化は不可!と思ったら映画化されたんですね!
小説ならではのトリックをどうやって映像化したのかそちらも気になります。